hspcv.txt

doclib\hspcv.txt » Plain Format

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HSPCV ver3.1 REFERENCE MANUAL                       HSP : Hot Soup Processor  
HSP拡張拡張DLLリファレンス              copyright 2007 (c) onion software  
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・はじめに

	このDLLは、Hot Soup Processor ver3.1以降とともに使用することで、
	OpenCV(Intel Open Source Computer Vision Library)が持つ機能を手軽に
	利用することができるプラグインです。
	HSPCVは、プラグインDLL内にすべての機能を内包しており、基本的に
	Windows98以降の環境で動作します。
	追加のモジュールやDLLをインストールする必要はありません。


・HSPCVの機能概要

	HSPCVを使用することにより、高度な画像処理やアルゴリズムを扱うことが
	できます。他にも、各種フォーマット(PNG、JPEG、TIFF等)の読み書き及び、
	ムービー(avi)ファイル操作やUSBカメラ等のキャプチャデバイス読み込みなど
	映像に関する多くの機能を提供しています。

	HSPCVでサポートされる主な機能は以下の通りです。

	・任意サイズの画像イメージ操作(コピー、加算、減算、乗算ほか)
	・画像イメージの高品質なリサイズ、スムージング、回転
	・画像イメージからの閾値による抽出、反転、色変換
	・画像ファイルの読み込み、及び保存(対応フォーマットは以下の通り)

		Windows bitmaps - BMP, DIB
		JPEG files - JPEG, JPG, JPE
		Portable Network Graphics - PNG
		Portable image format - PBM, PGM, PPM
		Sun rasters - SR, RAS
		TIFF files - TIFF, TIF
		OpenEXR HDR images - EXR
		JPEG 2000 images - JP2

	・USBカメラ等のキャプチャデバイス経由の画像取得
	・avi動画ファイルの読み込み、及び保存
	・顔抽出等の画像認識
	・任意の画像に近い領域を抽出するテンプレートマッチング


・使用方法の概要

	拡張プラグインのファイル、HSPCV.DLLは、HSED3.EXEおよび、HSP3.EXEのある
	ディレクトリと同じ場所に置いてください。
	(実行に使われているHSP3.EXEと同じディレクトリに、HSPCV.DLLがない場合は
	エラーになります)
	また、HSPCV.ASをスクリプトと同じディレクトリか、またはcommonフォルダ内に
	コピーされている必要があります。
	HSPCVを使用する場合は、スクリプトの先頭に必ず「#include "hspcv.as"」
	という行を追加してください。以上で、HSPの機能が拡張され、この
	リファレンスで説明をしている命令を使用することができるようになります。
	まず最初に、試しにサンプルスクリプト(sample/hspcvフォルダ内)を実行
	してみてください。
	拡張された機能の簡単な使用例を見ることができるはずです。


・更新履歴

	2007/4/1 ver1.0

		最初のバージョン。


・注意点

	HSPCV.DLLは、HSP3.EXEと同時に使用されるプラグインファイルです。
	使用するHSPは、ver3.1以上をお使い下さい。ver2.61やそれ以前のHSPには
	対応していませんのでご注意下さい。
	EXEファイルを作成した場合でも、HSPCV.DLLをEXEファイルと同じディレクトリ
	に置かないと動作しません。また、packfileにDLLを追加することはできません。


・著作権とライセンス

	ユーザーがHSPCV.DLLを使って作成したオリジナルのソフトウェア(実行ファイル)
	の権利は、それを作成したユーザーに属します。

	HSPCVに含まれるOpenCVライブラリ(1.0)は、BSD Licenseとなっており、
	以下に列挙するライブラリ部分の著作権表示を明示する必要があります。
	(組み込みや配布に関しての制限はありません。また、ソースコードの公開義務
	はありません。)

	-----------------------------------------------------------------------
	HSPCVに含まれるOpenCVライブラリ(1.0)は、Intel Corporationの著作物です。

	Open Source Computer Vision Library 
	Copyright (C) 2000-2006, Intel Corporation, all rights reserved.

	OpenCVライブラリ(1.0)に含まれるlibjpegライブラリはIJGの著作物です。
	Copyright (C) 1991-1998, Thomas G. Lane.
	this software is based in part on the work of the Independent JPEG Group

	OpenCVライブラリ(1.0)に含まれるlibpngライブラリは以下の著作物です。

	libpng version 1.2.8 - December 3, 2004
	Copyright (c) 1998-2004 Glenn Randers-Pehrson
	(Version 0.96 Copyright (c) 1996, 1997 Andreas Dilger)
	(Version 0.88 Copyright (c) 1995, 1996 Guy Eric Schalnat, Group 42, Inc.)

	OpenCVライブラリ(1.0)に含まれるzlibライブラリは以下の著作物です。

	Copyright (C) 1995-2004 Jean-loup Gailly and Mark Adler

	OpenCVライブラリ(1.0)に含まれるJasPerライブラリは以下の著作物です。

	JasPer Version 2.0

	Copyright (c) 1999-2000 Image Power, Inc.
	Copyright (c) 1999-2000 The University of British Columbia
	Copyright (c) 2001-2003 Michael David Adams

	同梱されている以下のxmlファイルは、Rainer Lienhart氏が製作したものです。
	haarcascade_frontalface_default.xml
	haarcascade_frontalface_alt.xml
	haarcascade_frontalface_alt2.xml

	HSPCV.DLL
	Copyright (C) 2007, Onion Software, all rights reserved.
	This software is provided by the copyright holders and contributors "as is" and
	any express or implied warranties, including, but not limited to, the implied
	warranties of merchantability and fitness for a particular purpose are disclaimed.
	-----------------------------------------------------------------------

	(ライセンス表記は、配布物の中に上記の内容を含むテキストを含めるようにしてください。)

	以上の項目を満たしていれば、ユーザーがHSPCV.DLLを使って作成したオリジナルの
	ソフトウェア(実行ファイル)を、自由に通信、即売会、店頭などで展示、配布、販売
	することができます。ライセンス料は必要ありません。

	HSPCV.DLLの著作権はonion softwareにあります。
	onion softwareは本プログラムによって生じた、いかなる損害についても保証いたしません。
	自己の責任の範囲で使用してください。
	また、付属のサンプルスクリプトも自由に改変、公開していただいて構いません。

	HSPCV.DLLは、基本的にBSDライセンスのもと有償・無償を問わず
	添付、複製、改編、再配布することができます。
	ただし、その際には必ずライセンス表記も含めるようにしてください。


・命令一覧

	cvreset					HSPCVの初期化
	cvsel					対象CVバッファの設定
	cvbuffer				CVバッファを初期化
	cvresize				画像のリサイズ
	cvgetimg				画像の取得
	cvputimg				CVバッファに書き込み
	cvload					画像ファイル読み込み
	cvsave					画像ファイル書き込み
	cvgetinfo				CVバッファ情報を取得
	cvsmooth				画像のスムージング
	cvthreshold				画像を閾値で取得
	cvrotate				画像の回転
	cvarea					コピー元領域の指定
	cvcopy					画像のコピー
	cvxors					画像のXOR演算
	cvflip					画像の反転
	cvloadxml				XMLファイルの読み込み
	cvfacedetect				画像の顔認識
	cvgetface				認識された座標の取得
	cvmatch					画像のマッチング検査
	cvconvert				色モードの変換

	cvcapture				カメラキャプチャの開始
	cvgetcapture				キャプチャ画像の取得
	cvendcapture				カメラキャプチャの終了
	cvopenavi				aviファイル取得の開始
	cvgetavi				aviファイル画像の取得
	cvcloseavi				aviファイル取得の終了
	cvmakeavi				aviファイル出力の開始
	cvputavi				aviファイルに画像を出力
	cvendavi				aviファイル出力の終了


・使い方の概要

	HSPCVでは、プラグイン側が管理する画像バッファを複数持っており、
	これを「CVバッファ」と呼び0から63までの番号(ID)で管理しています。
	HSPが管理する画面バッファと同じようなものですが、HSP側の画面情報とは
	独立しているので、HSPの画面バッファ番号(ID)と混同しないように注意して
	ください。
	「CVバッファ」は、任意のサイズで画像情報を保存しておくことができます。
	「CVバッファ」は、最初に初期化を行なってから使用します。

		cvbuffer 0,640,480

	は、「CVバッファ」のID0を640x480ドットのサイズで初期化します。
	また、

		cvload "test.jpg",0

	では、「test.jpg」という画像ファイルの内容で「CVバッファ」のID0を
	初期化します。
	初期化のための命令は、cvbuffercvloadしかありません。
	また、初期化した段階では必ずフルカラー(RGB24bit)となります。

	初期化された「CVバッファ」は、コピーやリサイズ、画像加工などの操作を
	行なうことができます。
	「CVバッファ」の内容は、HSPの画面とは連動していないため、画面上に
	表示させるためには、「CVバッファ」から「HSPの画面バッファ」にデータを
	転送する必要があります。そのための命令が、cvgetimgです。

		cvgetimg 0

	は、「CVバッファ」ID0の内容を、現在の操作先ウィンドウ(gselで指定した
	画面)に転送します。
	「CVバッファ」のサイズに、現在のウィンドウサイズを合わせる場合は、

		cvgetimg 0,1

	のように指定します。
	逆に、HSPの画面を「CVバッファ」側に転送することも可能です。

		cvputimg 0

	は、現在の操作先ウィンドウ(gselで指定した画面)を「CVバッファ」ID0に
	転送します。(「CVバッファ」はあらかじめ初期化されている必要があります)

	以上が、基本的な使い方になります。
	HSPCVは、OpenCVが持つ膨大な機能の一部を、HSPから手軽に呼び出せるように
	したものです。それぞれの機能は、リファレンスを参照してください。


・CVバッファ関連命令

	OpenCVを経由して画像及び画像ファイルを操作するための命令セットです。

	cvreset					HSPCVの初期化

		HSPCVが持つ「CVバッファ」をすべて破棄して、初期状態に戻します。
		HSPCVの開始、終了時には自動的に初期化が行なわれます。
		明示的に初期化したい時にcvreset命令を使用してください。


	cvbuffer p1,p2,p3			CVバッファを初期化

		p1(0)   : CVバッファID
		p2(640) : 横のピクセルサイズ
		p3(480) : 縦のピクセルサイズ

		指定したサイズでCVバッファを初期化します。
		バッファを初期化することにより、各種画像処理が可能になります。
		CVバッファは、フルカラーモード(RGB各8bit)で初期化されます。


	cvsel p1				対象CVバッファの設定

		p1 : CVバッファID

		標準の操作先CVバッファIDを設定します。
		パラメーターで、CVバッファIDを指定する時に省略した場合には、
		標準の操作先CVバッファIDが使用されます。


	cvresize p1,p2,p3,p4			画像のリサイズ

		p1(0) : 横のピクセルサイズ
		p2(0) : 縦のピクセルサイズ
		p3 : CVバッファID
		p4(1) : 補間アルゴリズム

		CVバッファを(p1,p2)で指定したサイズに変更します。
		p3で対象となるCVバッファIDを指定します。
		省略された場合は、cvsel命令で設定されたIDが使用されます。
		p4で補間アルゴリズムを指定します。
		p4で指定する内容は以下から1つ選ぶことができます。

			CV_INTER_NN - ニアレストネイバー
			CV_INTER_LINEAR - バイリニア(デフォルト)
			CV_INTER_AREA - ピクセル周辺をリサンプリング
			                (モアレを低減することができます)
			CV_INTER_CUBIC - バイキュービック


	cvgetimg p1,p2				画像の取得

		p1 : CVバッファID
		p2(0) : 取得モード

		CVバッファの内容をHSPのウィンドウバッファに転送します。
		転送先となるHSPのウィンドウバッファは、gsel命令で指定されている
		現在の操作先ウィンドウIDとなります。
		p1で転送元となるCVバッファIDを指定します。
		省略された場合は、cvsel命令で設定されたIDが使用されます。
		p2で、転送時の方法を指定することができます。
		p2が0の場合は、HSPのウィンドウバッファサイズはそのままで転送を
		行ないます。p2に1を指定した場合は、CVバッファと同じサイズに
		HSPのウィンドウバッファサイズを変更した上で転送を行ないます。


	cvputimg p1				CVバッファに書き込み

		p1 : CVバッファID

		HSPのウィンドウバッファ内容をCVバッファに転送します。
		転送元となるHSPのウィンドウバッファは、gsel命令で指定されている
		現在の操作先ウィンドウIDとなります。
		p1で転送先となるCVバッファIDを指定します。
		省略された場合は、cvsel命令で設定されたIDが使用されます。


	cvload "filename",p1			画像ファイル読み込み

		"filename" : 画像ファイル名
		p1 : CVバッファID

		CVバッファを指定された画像ファイルの内容で初期化します。
		p1で対象となるCVバッファIDを指定します。
		省略された場合は、cvsel命令で設定されたIDが使用されます。

		画像ファイルのフォーマットはファイル拡張子によって判断されます。
		使用できるフォーマットと拡張子は以下の通りです。

			Windows bitmaps - BMP, DIB
			JPEG files - JPEG, JPG, JPE
			Portable Network Graphics - PNG
			Portable image format - PBM, PGM, PPM
			Sun rasters - SR, RAS
			TIFF files - TIFF, TIF
			OpenEXR HDR images - EXR
			JPEG 2000 images - JP2

		処理が正常に終了した場合には、システム変数statが0になります。
		何らかのエラーが発生した場合には、システム変数statが0以外の
		値となります。

		#pack#epack等で実行ファイル及びDPMファイルに埋め込まれた
		ファイルは読み込むことができませんので注意してください。


	cvsave "filename",p1,p2			画像ファイル書き込み

		"filename" : 画像ファイル名
		p1 : CVバッファID
		p2 : オプション値

		CVバッファの内容を指定された画像ファイル名で保存します。
		p1で対象となるCVバッファIDを指定します。
		省略された場合は、cvsel命令で設定されたIDが使用されます。

		画像ファイルのフォーマットはファイル拡張子によって判断されます。
		使用できるフォーマットと拡張子は以下の通りです。

			Windows bitmaps - BMP, DIB
			JPEG files - JPEG, JPG, JPE
			Portable Network Graphics - PNG
			Portable image format - PBM, PGM, PPM
			Sun rasters - SR, RAS
			TIFF files - TIFF, TIF
			OpenEXR HDR images - EXR
			JPEG 2000 images - JP2

		p2で指定するオプション値は、フォーマットごとの設定を
		指定するためのものです。
		現在は、JPEGフォーマット保存時の品質(0〜100)のみ指定可能です。
		p2の指定を省略した場合は、JPEGフォーマット保存時に、
		品質95が使用されます。

		処理が正常に終了した場合には、システム変数statが0になります。
		何らかのエラーが発生した場合には、システム変数statが0以外の
		値となります。


	cvgetinfo p1,p2,p3			CVバッファ情報を取得

		p1 : CVバッファ情報が取得される変数
		p2 : CVバッファID
		p3 : CVバッファ情報ID

		CVバッファに関する情報を取得してp1の変数に代入します。
		p2で対象となるCVバッファIDを指定します。
		省略された場合は、cvsel命令で設定されたIDが使用されます。

		p3で取得する情報の種類を指定することができます。
		p3に指定できるマクロは以下の通りです。

			マクロ               内容
			-------------------------------------------
			CVOBJ_INFO_SIZEX     横方向サイズ
			CVOBJ_INFO_SIZEY     縦方向サイズ
			CVOBJ_INFO_CHANNEL   チャンネル数
			CVOBJ_INFO_BIT       チャンネルあたりのビット数


	cvsmooth p1,p2,p3,p4,p5			画像のスムージング

		p1 : スムージングのタイプ
		p2 : param1
		p3 : param2
		p4 : param3
		p5 : CVバッファID

		CVバッファにスムージングを適用します。
		p5で対象となるCVバッファIDを指定します。
		省略された場合は、cvsel命令で設定されたIDが使用されます。

		p1で指定することのできるマクロは以下の通りです。

		CV_BLUR_NO_SCALE
		(param1×param2の領域でピクセル値を足し合わせる)

		CV_BLUR
		(param1×param2の領域でピクセル値を足し合わせた後、
		 1/(param1*param2)でスケーリングする)

		CV_GAUSSIAN
		(param1×param2ガウシアンフィルタ)

		CV_MEDIAN
		(param1×param2メディアンフィルタ)

		CV_BILATERAL
		(3×3バイラテラルフィルタ(param1=色分散, param2=空間分散))
		http://www.dai.ed.ac.uk/CVonline/LOCAL_COPIES/MANDUCHI1/Bilateral_Filtering.html 


	cvthreshold p1,p2,p3,p4			画像を閾値で取得

		p1 : 2値化タイプ
		p2 : 閾値(実数)
		p3 : 二値化後の画素値(実数)
		p4 : CVバッファID

		CVバッファに対して閾値をもとに2値化を行ないます。
		p4で対象となるCVバッファIDを指定します。
		省略された場合は、cvsel命令で設定されたIDが使用されます。
		p1で指定することのできるマクロは以下の通りです。

		CV_THRESH_BINARY     : val = (val > thresh ? MAX:0)
		CV_THRESH_BINARY_INV : val = (val > thresh ? 0:MAX)
		CV_THRESH_TRUNC      : val = (val > thresh ? thresh:val)
		CV_THRESH_TOZERO     : val = (val > thresh ? val:0)
		CV_THRESH_TOZERO_INV : val = (val > thresh ? 0:val)


	cvrotate p1,p2,p3,p4,p5,p6		画像の回転

		p1(0) : 角度(実数)
		p2(1) : スケール(実数)
		p3(0) : 中心座標のXオフセット(実数)
		p4(0) : 中心座標のYオフセット(実数)
		p5 : 補間アルゴリズム
		p6 : CVバッファID

		CVバッファ全体を回転させます。
		p1で角度(360度で一周)を、p2でスケールを設定します。
		(p3,p4)で中心のオフセットを指定することがてきます。
		p5で、回転時の補間アルゴリズムを指定します。
		p5で指定する内容は以下から1つ選ぶことができます。

			CV_INTER_NN - ニアレストネイバー
			CV_INTER_LINEAR - バイリニア(デフォルト)
			CV_INTER_AREA - ピクセル周辺をリサンプリング
			                (モアレを低減することができます)
			CV_INTER_CUBIC - バイキュービック

		また、p5に同時指定できるオプションが用意されています。

			CV_WARP_FILL_OUTLIERS - 外部ピクセルを埋める
			CV_WARP_INVERSE_MAP - 回転を逆行列で行なう

		デフォルトでは、CV_INTER_LINEAR+CV_WARP_FILL_OUTLIERSが
		指定されています。
		p6で対象となるCVバッファIDを指定します。
		省略された場合は、cvsel命令で設定されたIDが使用されます。


	cvarea p1,p2,p3,p4			コピー元領域の指定

		p1(0) : コピー元 X座標
		p2(0) : コピー元 Y座標
		p3(0) : コピー領域 Xサイズ
		p4(0) : コピー領域 Yサイズ

		cvcopy命令で画像のコピーを行なう際のコピー元領域を指定します。
		パラメーターがすべて0の場合や、すべて省略してcvarea命令を
		実行した場合は、CVバッファ全体が対象になります。


	cvcopy p1,p2,p3,p4,p5			画像のコピー

		p1(0) : コピー元CVバッファID
		p2(0) : コピー先 X座標
		p3(0) : コピー先 Y座標
		p4 : コピー先CVバッファID
		p5(0) : 演算オプション

		CVバッファの内容を別なCVバッファにコピーします。
		p1で指定されたCVバッファIDがコピー元として使用されます。
		バッファの一部をコピーする場合には、cvarea命令で位置やサイズを
		あらかじめ設定しておく必要があります。
		p5の演算オプションにより、コピー時にいくつかの演算を行なう
		ことが可能です。p5に指定できるマクロは以下の通りです。

			CVCOPY_SET (上書きコピー)
			CVCOPY_ADD (加算)
			CVCOPY_SUB (減算)
			CVCOPY_MUL (乗算)
			CVCOPY_DIF (差分)
			CVCOPY_AND (論理積)

		p4でコピー先となるCVバッファIDを指定します。
		省略された場合は、cvsel命令で設定されたIDが使用されます。

		CVバッファの色モードは、コピー元とコピー先で合わせておく
		必要があります。グレイスケール(白黒)画面とフルカラー画面を
		混在してコピーすることはできません。


	cvxors p1,p2,p3,p4			画像のXOR演算

		p1(255) : XOR演算で使用するR値
		p2(255) : XOR演算で使用するG値
		p3(255) : XOR演算で使用するB値
		p4 : コピー先CVバッファID

		CVバッファの内容に対してXOR演算を行ないます。
		p1〜p3までで、RGB値に対する演算値(0〜255)を指定します。
		p4で対象となるCVバッファIDを指定します。
		省略された場合は、cvsel命令で設定されたIDが使用されます。


	cvflip p1,p2				画像の反転

		p1(0) : 反転のモード
		p2 : コピー先CVバッファID

		CVバッファの内容を反転させます。
		p1で反転のモードを指定することができます。
		p1が0の場合は、上下反転になります。
		p1が1以上の場合は、左右反転になります。
		p1がマイナス値の場合は、上下左右ともに反転されます。

		p2で対象となるCVバッファIDを指定します。
		省略された場合は、cvsel命令で設定されたIDが使用されます。


	cvloadxml "filename"			XMLファイルの読み込み

		"filename" : 読み込むXMLファイル名

		"filename"で指定されたファイルをXMLファイルとして読み込みます。
		XMLファイルは、画像の顔認識等で必要な場合にあらかじめ
		読み込んでおく必要があります。

		処理が正常に終了した場合には、システム変数statが0になります。
		何らかのエラーが発生した場合には、システム変数statが0以外の
		値となります。

		#pack#epack等で実行ファイル及びDPMファイルに埋め込まれた
		ファイルは読み込むことができませんので注意してください。


	cvfacedetect p1,p2			画像の顔認識

		p1 : CVバッファID
		p2(1) : スケール値(実数)

		CVバッファの画像から特定のパターンを認識します。
		パターンのパラメーターを持つxmlファイルを、あらかじめ
		cvloadxml命令で読み込んでおく必要があります。

		p1で対象となるCVバッファIDを指定します。
		省略された場合は、cvsel命令で設定されたIDが使用されます。

		p2で処理時のスケールを設定することができます。
		ここで1より大きい値を指定すると、処理時にバッファサイズを
		縮小して処理されるようになります。大きな画像等で時間が
		かかる場合などに指定するといいでしょう。

		実行後に、システム変数statに認識された数が返されます。
		statが0の場合は、まったく認識されていないことを示します。
		statが1以上の場合は、cvgetface命令によって認識された領域を
		取得することができます。


	cvgetface p1,p2,p3,p4			認識された座標の取得

		p1 : 認識されたX座標が代入される変数
		p2 : 認識されたY座標が代入される変数
		p3 : 認識されたXサイズが代入される変数
		p4 : 認識されたYサイズが代入される変数

		cvfacedetect命令によって認識された領域を取得します。
		p1からp4までの変数に、座標値が整数で代入されます。
		cvfacedetect命令によって認識された個数だけ、繰り返して
		領域を取得することができます。

		正常に取得できた場合には、実行後にシステム変数statが
		0になります。取得できるデータがない場合には、システム変数
		statは1になります。


	cvmatch p1,p2,p3,p4,p5			画像のマッチング検査

		p1 : 認識されたX座標が代入される変数
		p2 : 認識されたY座標が代入される変数
		p3 : マッチングのタイプ
		p4 : マッチング元のCVバッファID
		p5 : マッチング先のCVバッファID

		マッチング先のCVバッファの中から、マッチング元のCVバッファ
		に最も近い領域を探し出して結果を返します。
		実行後、(p1,p2)に指定した変数へ結果となる座標を代入します。
		p3でマッチングで使用する評価方法のタイプを指定します。
		p3で指定することのできるマクロは以下の通りです。

		CV_TM_SQDIFF
			R(x,y)=sumx',y'[T(x',y')-I(x+x',y+y')]^2

		CV_TM_SQDIFF_NORMED
			R(x,y)=sumx',y'[T(x',y')-I(x+x',y+y')]^2/sqrt[sumx',y'T(x',y')^2・sumx',y'I(x+x',y+y')^2]

		CV_TM_CCORR
			R(x,y)=sumx',y'[T(x',y')・I(x+x',y+y')]

		CV_TM_CCORR_NORMED
			R(x,y)=sumx',y'[T(x',y')・I(x+x',y+y')]/sqrt[sumx',y'T(x',y')^2・sumx',y'I(x+x',y+y')^2]

		CV_TM_CCOEFF
			R(x,y)=sumx',y'[T'(x',y')・I'(x+x',y+y')],
			where T'(x',y')=T(x',y') - 1/(w・h)・sumx",y"T(x",y")
			I'(x+x',y+y')=I(x+x',y+y') - 1/(w・h)・sumx",y"I(x+x",y+y")

		CV_TM_CCOEFF_NORMED
			R(x,y)=sumx',y'[T'(x',y')・I'(x+x',y+y')]/sqrt[sumx',y'T'(x',y')^2・sumx',y'I'(x+x',y+y')^2]

		p5で対象となるCVバッファIDを指定します。
		省略された場合は、cvsel命令で設定されたIDが使用されます。

		cvmatch命令は、あくまでも最も近い領域を検索するだけで、
		完全に同じであることを保障するものではありません。


	cvconvert p1,p2				色モードの変換

		p1(0) : 変換モード
		p2 : CVバッファID

		CVバッファをp1で指定された色モードに変換します。
		p1が0の場合は、フルカラー画面をグレイスケール(白黒)画面に。
		p1が1の場合は、グレイスケール(白黒)画面をフルカラー画面に、
		それぞれ変換します。
		p2で対象となるCVバッファIDを指定します。
		省略された場合は、cvsel命令で設定されたIDが使用されます。


・ビデオ関連命令

	OpenCVを経由してカメラキャプチャ及び動画ファイルを操作するための
	命令セットです。

	cvcapture p1,p2				カメラキャプチャの開始

		p1(0) : カメラID
		p2 : CVバッファID

		キャプチャデバイスからの入力を開始します。
		p1で、カメラを特定するためのカメラIDを指定します。
		p1で指定できる値は以下の通りです。
		複数のデバイスが接続されている場合は、1づつ値を加算
		することで特定することが可能です。

		マクロ          値      内容
		-------------------------------------------------
		CV_CAP_ANY      0  	利用可能なデバイスすべて
		CV_CAP_MIL      100	Matrox Imaging Library
		CV_CAP_VFW      200	Video for Windows
		CV_CAP_IEEE1394 300	IEEE1394(現バージョンでは未対応です)

		p2でキャプチャした画像を保存する対象となるCVバッファIDを
		指定します。
		省略された場合は、cvsel命令で設定されたIDが使用されます。

		カメラキャプチャの開始後は、cvgetcapture命令によって
		フレームごとの画像を取得することができます。
		また、不要になった場合には必ずcvendcapture命令で
		キャプチャを終了させる必要があります。


	cvgetcapture				キャプチャ画像の取得

		cvcapture命令によって開始されたキャプチャのフレーム画像を
		取得します。取得されるCVバッファは、cvcapture命令で
		設定されたIDになります。


	cvendcapture				カメラキャプチャの終了

		cvcapture命令によって開始されたキャプチャを終了します。


	cvopenavi "filename",p1			aviファイル取得の開始

		"filename" : avi動画ファイル名
		p1 : CVバッファID

		avi動画ファイルからの入力を開始します。
		指定されたファイル内のフレームを取得することができる
		ようになります。

		p1でキャプチャした画像を保存する対象となるCVバッファIDを
		指定します。
		省略された場合は、cvsel命令で設定されたIDが使用されます。

		aviファイル取得の開始後は、cvgetavi命令によって
		フレームごとの画像を取得することができます。
		また、不要になった場合には必ずcvcloseavi命令で
		aviファイル取得を終了させる必要があります。

		cvopenavi命令は、あくまでもaviファイルの内容を簡易的に
		取り出すための機能で、正常な動画再生を行なうためのものでは
		ありません。あくまでも、フレームを取り出して処理を行なう
		ための補助機能だとお考えください。
		また、cvopenavi命令が扱うことのできるaviファイルは、
		古い形式のaviフォーマットに限られており、すべてのaviファイルを
		開くことができるわけではありません。


	cvgetavi				aviファイル画像の取得

		cvopenavi命令によって開始されたaviファイルのフレーム画像を
		取得します。取得されるCVバッファは、cvcapture命令で
		設定されたIDになります。


	cvcloseavi				aviファイル取得の終了

		cvopenavi命令によって開始されたaviファイル取得を終了します。


	cvmakeavi "filename",p1,p2,p3		aviファイル出力の開始

		"filename" : 出力するavi動画ファイル名
		p1(-1) : 32bit Codecコード
		p2(29.97) : 実数によるフレームレート(fps)
		p3 : CVバッファID

		avi動画ファイルへの出力を開始します。
		指定されたファイル名でaviファイルを作成します。

		p1でコーデックが持つ32bitのコード(FOURCC)を指定します。
		p1に-1を指定した場合は、コーデックを選択するダイアログが開きます。
		p2で実数によるフレームレート(fps)を指定します。
		p2の指定が省略された場合には、29.97fpsとなります。

		p3で出力画像を保持するCVバッファIDを指定します。
		省略された場合は、cvsel命令で設定されたIDが使用されます。

		出力の開始後は、cvputavi命令によってフレームごとの画像を
		登録して、最後にcvendavi命令を呼び出す必要があります。


	cvputavi				aviファイルに画像を出力

		cvmakeavi命令によって開始されたaviファイルに、フレーム画像を
		追加します。
		参照されるCVバッファは、cvmakeavi命令で設定されたIDになります。


	cvendavi				aviファイル出力の終了

		cvmakeavi命令によって開始されたaviファイル出力を終了します。


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                                                HSP users manual / end of file 
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